太田 差惠子
おおた さえこ
<プロフィール>
介護・暮らしジャーナリスト。AFP。遠距離介護、介護とお金、仕事と介護の両立、高齢者施設などをテーマに執筆や講演。著書多数。
<プロフィール>
介護・暮らしジャーナリスト。AFP。遠距離介護、介護とお金、仕事と介護の両立、高齢者施設などをテーマに執筆や講演。著書多数。
1996年任意団体パオッコ~離れて暮らす親のケアを考える会~を設立、2005年NPO法人化し理事長に。
2023年NPO法人パオッコを、6人の仲間とともに[パオッコ2]としてリニューアル。
●太田差惠子の個人サイト:太田差惠子のワークライフバランス
https://www.ota-saeko.com/
●Yahoo!ニュース エキスパート オーサー太田差惠子のページ
https://news.yahoo.co.jp/
expert/authors/otasaeko
パオッコの活動を始めたのは1996年でした。まだ公的介護保険の始まる前で、別居の親のことを役所に相談に行こうものなら、「あなたの親でしょ」と言われるような時代でした。
1998年『もうすぐあなたも遠距離介護』という書籍を出版し、著書のタイトルとすることで「遠距離介護」という言葉を社会に送りだしました。当時は、「それ、なに?」と聞かれることも多かったですが、いまでは、普通に使われる言葉となりました。
これまでの親世代は、どのように老いるか考えず、語弊があることを承知でいえば、「いきあたりばったり」に老後を過ごす人が多かったように思います。どこで老いるか、どのように介護されるか、その資金をどうするかなど、考えていないものですから、代わりに子どもが四苦八苦。おまけに、子の提案に「あれは嫌」「これは嫌」と拒否のオンパレードで、子は疲れ果てることに。
そんな子世代の様子を見ながら、「親のために子はこんなにがんばらなければならないの?」と思ったものです。
と、親世代の悪口を言ってしまいましたが、仕方がなかった面もあります。彼らから言わせれば、いつの間にか長生きの時代となり、介護保険もでき、どう年齢を重ねるかロールモデルがいないなか、「わたしたちだって、大変なんだよ」と思っているのかもしれません。
これから高齢期を迎える私たちは、「親」というお手本があります。
子どもがいてもいなくても、人任せではなく、自分の人生を自分らしく生きませんか。日々を笑顔で楽しみ、1日も長く自分の足で歩きながら年齢を重ねていきたいものです。
2024年1月 太田 差惠子