遠距離介護とは

別々に暮らしながら介護
子の進学や就職、結婚などを機に別居した親子。
親が年老いて介護が必要になっても、同居は選択せず、それぞれが住み慣れた家に暮らし続け、必要に応じて、子が親の家に通って生活をサポートすることを「遠距離介護」と呼びます。
しばしば、「遠距離って、どのくらいの距離?」と聞かれますが、決まりがあるわけではありません。新幹線や飛行機で帰省する人がいる一方、例えば東京都内どうしでも、「忙しくて、滅多に帰省できないから」と、自ら「遠距離」と表現する人もいます。
通いの頻度も人それぞれ。月に2~3回以上というケースがある一方、年に1回というケースも。

親と子それぞれの人生を大切にするための方法
同居を選ばず心身の弱った親を1人暮らしさせることに、「親不孝?」と罪悪感を抱く子もいます。
しかし、「Uターン」を選べば、子の生活は一変。仕事などに支障が生じることがあります。逆に「呼び寄せ」を選べば、親が住み慣れた家を離れなければなりません。
「遠距離介護」は、このどちらも選べないときの3つ目の選択肢として考えられた側面があります。
つまり、やむなく選ぶ方法……。
けれども、時代は流れ、人々の価値観も変化。いつからか、親と子、それぞれが、それぞれの人生を大切にするための方法として、前向きに捉えられるようになりました。

こんな調査報告があります。
死期が迫っているとわかったときに、人生の最期を迎えたい場所はどこかと尋ねています*。67~81歳の回答を見ると、多い順に「自宅」58.8%、次いで「医療施設」33.9%。その理由は、「自分らしくいられる」「住み慣れているから」などがあげられています。一方、絶対に避けたい場所は、「子の家」42.1%、「介護施設」34.4%。「子の家」を避けたい気持ちの背景には「家族の負担になりたくない」という気持ちがあるようです。
さて、あなたは?

一番、望ましい場所(単一回答)

絶対に避けたい場所(複数回答)

こちらの書籍も参考にしてください!

遠距離介護で自滅しない選択
『遠距離介護で自滅しない選択』
(日本経済新聞出版,太田差惠子)