移住考

2024.12.07
漫筆

関西在住のほかちんと申します。妻と二人暮らしの酉年生まれです。折に触れて感じた独白。

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一昨日、妻と一緒に自転車をこいでもみじ狩りに行った。七、八分だけど紅葉が鮮やかだ。(酷暑が長かったためか、いつもより見頃がだいぶ遅いとのこと)インバウンドの観光客がカメラを構える。

一帯には、世界文化遺産があり、ハイキングコースの小高い山があって、琵琶湖を源とする大きな川もある。

九州のときは、県庁所在都市の住宅地に住んでいた。近くに店はいくらでもあったので車を持たず、買い物に行くのも歩くか自転車だった。ただ、日常行動範囲で、歴史や自然に触れることは、ほとんどなかった。

1年半前、移住してきた最初はわからなかったが、暮らすうちに、文化薫る歴史や四季の移り変わりを手軽に感じる豊かさに気づいた。望外の喜びに変わるのにさほど時間はかからなかった。

実はもう一つ気に入ったことがある。

この辺は無料送迎バス文化(?)なのだ。

九州に住んでいたときは、母を病院に連れて行くのは、決まってタクシーだった。大きな病院に行くときは片道三千円近くかかった。

ところが、(知る限り)この辺の病院はどこも、住宅地を巡回する無料送迎バスを出してくれる。

市主催の健康教室も無料送迎バスが自宅まで来てくれる。

加えて、スポーツジム、霊園、スパも自宅前というわけにはいかないものの無料送迎バスがある。

アクセスが良いだけでなく無料なのはありがたい。

大げさだが移住して感じた思いがけない幸せだ。(了)