スタッフブログ
離れて暮らす親のケアにかかわるパオッコスタッフの日常とつぶやき、
そして遠距離介護に役立つ情報などをお届けします。
▼重いテーマだけれど、読んでみました!
2018/02/02
たまたま手にする機会があった新刊。 「ルポ 最期をどう迎えるか」(共同通信生活報道部,岩波書店)
重いテーマながら、もともと新聞連載されたルポなので、読みやすい。丁寧に取材された事例をもとに書かれているので、すーっと頭に入る。
第1章は『自宅で看取る』。
ある家族が『自宅での看取りは現実的ではない』と病院を探したものの、最終的に在宅診療により、自宅での看取りをした事例が紹介されている。『在宅診療は死を看取るだけにあるのではない。患者本人が最期まで尊厳を持って生き抜くためのもの』という訪問看護師の言葉がある。
しばしば耳にするフレーズではあるが、ルポのなかでの言葉のせいか、思わず頷いた。
第2章は『延命治療どこまで』。
これは、パオッコの活動の中でも、しばしば耳にする悩みだ。「胃ろうをしなければ、どうなりますか」と医師に尋ねたところ「餓死されます」と言われ、拒否できなかったというパオッコ会員もいる。そのときは、何と冷酷な表現か、と思ったが……。
本書では、医師の言葉として『口から食べられなくなったらそのまま逝くというのは、飢え死にするということ。それはやはり残酷だ。病院に来た以上『何かしてほしい』と期待されているのだろうから……』と紹介されている。
まだ2章までしか読んでいないが、親の最期というより、自分自身の最期を考える参考に、読み進めたいと思う。
いや、最期というより、そこまでどう生き抜くか、かな。(太田差惠子)
▼遠距離介護の体験談が好評!
2017/12/02
今年も、遠距離介護セミナーが盛会に終了!
パオッコのセミナーの目玉は、体験者が語ること。
毎年、2名の体験者に登壇してもらいます。
実は、顔出しで話してくださる人を探すのはたいへんです。
思いっきり、お願いします。
今年も、男性1人、女性1人が登壇してくださいました。
セミナー参加者のアンケートを見ると、下記のような声が……。
体験者が話してくださるおかげで、とても満足度の高いセミナーになりました。
「各家庭で家族構成や地域、病歴等状況が違うので悩みも様々だと思いますが話を聞くと自分だけでないと安心しました」
「お2人の体験談で『うまくいくことばかりではない。(=悩むのは自分だけではない)』ことを感じ、少し心に余裕が持てるようになった」
「『未だに後悔している』という体験談はとりわけ考えさせられます」
「体験者の方の話が一番伝わるというか、もっと聞きたいです。子供の生活をどこまで犠牲にして看るべきなのか?答えがでませんね」
そういえば、人気ブログ「認知症の母を『しれっと』介護する息子のブログー40歳からの遠距離介護」の工藤広伸さん(パオッコ会員でもいらっしゃる)が体験談からの新刊を出されるそうです。
『がんばりすぎずにしれっと認知症介護』(新日本出版社)
認知症の母親を6年間、遠距離介護。
認知症の症状をまるごと受け止めつつ「ムリをせず、ラクをする介護」を、家族ならではの目線で提案。
体験者ならではの提案、一読の価値あり(そう)ですね。
12月14日(木)14時から紀伊國屋書店新宿本店でトークイベントもあるそうです(本の購入が必要)。
詳細は工藤さんのウェブサイトからどうぞ。
http://40kaigo.net/
▼お元気ですか!
2017/05/17
月1回お話相手として訪問する聖子さんは、今年93歳で一人暮らしです。
子供もいなく、訪問する親戚は余りいないようです。
身体は元気ですが、腰は2つに曲がって杖を使っています。
お話好きで次から次にと、話が途切れません。
何時も出る話は、美味しい物の話とおしゃれの話です。
買い物に行きたい!と言う希望を叶えるため巣鴨に出かける事にしました。
タクシーで駅まで出て、電車を2回乗り換えます。
ホームでは電車がすぐ来て、優先席のドアまで行くことが出来なく乗り込んでしまいました。
車内は少し混雑していて空席が有りません。
手すりに持たれながら、空席を待ちますが中々空きません。
少し大きな声で、中々空かないね!と私です。
結局6つの駅を立たせたままでした。
乗り換えの為降り立った秋葉原の駅は、なんとエレベーターもエスカレーターも乗り換えの近くには有りません。
階段をゆっくりゆっくり歩いて降りて、乗り換えます。
さすが巣鴨はおばあさんの原宿!
ここには、あちらこちらに休む所が作られています。
このズボンのサイズはどうかしら!
洋服の色はどっちが良いかしら?
このかばん安いから買いたいわ!
次から次に買い物が増えて行きます。
帰りは電車の事を考えて、途中までバスにして1回だけ乗る事にしました。
でもやっぱり空席は無く、誰も座席を譲ってくれる人はいませんでした。
現実はこんなものなのでしょうか。
そう言えば以前台湾を旅行した時、混雑した車内で2回も席を譲られました。
日本では考えてもいない事に、戸惑ったものです。
私はすっかり疲れ果ててしまいました。
又行きたい、と言われたらどうしましょうか?
すたつふ
▼介護への関心は増す一方?
2017/05/05
太田です。
このところ、「介護」への関心は高まる一方です。
正確にいえば、関心ではなく、「不安」なのかもしれません。
そんな理由からか、時々、テレビに出演することがあります。
何度か出ているのはNHKの「あさイチ」。
今回、初めてMXテレビに出演しました。
暗くなりがちなテーマですが、バラエティなので明るい雰囲気!
出演者の方々は、私以外、テレビのプロの方ばかり……。
打ち合わせの段階で、「ヤバイ」と頭はまっ白に。
生放送のあいだ、支離滅裂なことを話していましたが……。
でも、「介護」について考えていただくひとつにきっかけになれば!!
http://s.mxtv.jp/variety/kikitai/
「田村淳の訊きたい放題」4,29
▼2016遠距離介護セミナー開催のお知らせ
2016/09/25
今年も遠距離介護セミナーを開催します。
セミナー詳細・お申込みページの立ち上げはまだですが、ブログで先に概要をご紹介します。
「子のココロ親知らず 親のココロ子知らず」
親と向き合う知恵とコツ
東京会場:2016年11月13日(日) 13:00 – 16:00 @AP品川
大阪会場:2016年11月20日(日) 13:00 – 16:00 @AP大阪梅田茶屋町
参加費無料
定員:各会場100名
今回は医学博士で桜美林大学大学院老年学研究科教授の長田久雄先生をお招きし,
1部は先生の講演、2部は専門家と遠距離介護体験者2名を交えたアドバイストークです。
☆申込み受付開始は2016年10月11日(火)10:00から
メルマガ 「パオッコ通信」でいち早くお申込みのご案内をいたします。
今からたくさんの方のご来場をお待ちしています!
▼お勧めの本「医者は知らない! 認知症介護で倒れないための55の心得」
2016/07/15
太田です。続けて3冊目のご紹介!
「医者は知らない! 認知症介護で倒れないための55の心得」 (廣済堂健康人新書)
パオッコ会員のくどひろさんの書かれた書籍です。くどひろさんも、パオッコサロンや遠距離介護セミナーに参加くださっています。
去年の秋に出された「医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得」の第二弾。
著者のくどひろさんは、東京-岩手間の片道500km・5時間を、年間20往復して認知症の母親を介護。
介護離職もされ、現在はサラリーマンではなく、ブログを運営しながらの広告収入、電子書籍の印税で介護生活をされています。
心得49「介護者はただ、そこにいるだけで意味がある」。
くどひろさんが遠距離介護を続ける意味がかかれています。とても共感しました。
Y子さん同様、くどひろさんのブログもお勧めです。
「40歳からの遠距離介護」http://40kaigo.net/
▼お勧めの本「結局!大丈夫 大丈夫」
2016/07/15
太田です。久しぶりにブログを更新し、お勧め本の紹介が続きます。
上下巻2冊のマンガです。
めぐろのY子よりマンガ「結局!大丈夫 大丈夫」
Y子さん、パオッコサロンにもご参加くださったことがあります!
Y子さんの日常が綴られており、そこには「遠距離介護」もあります。
ネタバレになってしまうので、あまり書けませんが、Y子さんが心の自由を手にしていく過程……。
読んでいくと、自分と重なっていき、読みおえた途端、「うん、大丈夫!」と思える自身がいました(笑)。
遠距離介護って、親との関係にもストレスを抱えがち。そんな方は、ぜひ読んでみてください! 発想を変えることで、ココロが楽になることも。
Y子さんのブログも大人気!「めぐろのY子より」http://ykomeguro.blog84.fc2.com/ 本の無料試し読みもできます。
タグ: 遠距離介護
▼お勧めの本「北海道南西沖地震・津波と災害復興」
2016/07/15
パオッコの顧問の関孝敏先生方の書かれた書籍です。
「北海道南西沖地震・津波と災害復興」 。
1993年7月12日発災「北海道南西沖地震・津波」による激甚被災地奥尻町の災害復興過程に関する20年わたる考察をまとめたものです。
また、「東日本大震災」を踏まえて2013年に実施した奥尻町住民意向調査の結果から、かつての被災経験とその後の復興過程が町民にどう受け止められているかを詳述しています。
▼夏休みの帰省で親とどう話す?
2015/08/09
太田です。暑い日が続きます。
お盆休みに入った方も多いでしょう。
そして、実家に帰省?
7月30日付けの日本経済新聞で「夏休みの帰省で親とどう話す?」がテーマの記事が掲載されました。記者の方がパオッコのサロンを取材にこられました。
親子の会話、簡単のようで難しいですね。
日経2015.7
▼大都市高齢者の地方移住推進に思うこと
2015/06/15
太田です。今日は梅雨の晴れ間でした。
「高齢者の地方移住促進へ=地方創生で基本方針素案」
「高齢者の地方移住へ環境づくり」
「高齢者の地方移住を」― 東京圏の介護需要、10年後45%増 ―
今月、各紙で大きく報道されました。
これは、米国の事例を参考にした「日本版CCRC構想」。
高齢者に医療、介護の環境が整った地方へ移住してもらい、近隣住民との交流で地域活性化を目指すという戦略です。
この素案を読んでみました。
併せて背景となっている「東京圏高齢化危機回避戦略」の報告書も(すごいネーミングですね)。
突っ込みどころ満載です。
そもそも、この提言の前提には、内閣府官房の調査結果(2014.8)があります。
「東京都から移住する予定又は移住を検討したいと思っている人は約4割。
(うち関東圏以外の出身者では約5割)」
あれっ、普段、パオッコの活動で「地方出身の東京圏在住者」から聞いている感覚とはだいぶ違う…。
よく見ると、4割の内「具体的な時期は決まっていないが、検討したいと思っている」
との回答が圧倒的に多いのです…(1年、5年、10年をめどに移住との回答は少数)。
で、報告書では「こうした大都市の高齢者の希望を実現する取組として大きな意義を有している」と述べています。
また、また、あれっ。移住に前向きな回答をしているのは「30 代以下の若年層及び50 代男性」なんですけれど…。
頭から文句を言うつもりはありません。
けれども、本気で「移住」を推進するなら、しっかりとリスクや課題、そして対策を考えるべきでしょう。
パオッコで遠距離介護支援の活動を始めて20年。
高齢者の「移住」は、たやすいことではないことを肌で感じてきました。
もう少し、じっくり読み解いてみたいと思います。
*CCRC(Continuing Care Retirement Community):
健康な時から介護時まで移転することなく安心して暮らし続けることが出来る米国のシニアコミュニティ。
全米で約2000ヵ所、約60万人の居住者。
「日本版CCRC」は、CCRCを日本の国民性・地域性・制度に適合させ、普及を目指すモデル。