パオッコの活動
離れて暮らす親のケアにかかわるパオッコスタッフの日常とつぶやき、
そして遠距離介護に役立つ情報などをお届けします。
▼スウェーデン大使館主催セミナー その2
2009/03/29
ひきつづき、スウェーデン大使館でのセミナーの報告です。
セミナー会場の外には、スウェーデン参加企業の展示会がありました。
シンプルに使える生活必需品の展示—チャンネルと音量調節のみのリモコン(右手前)。ワンタッチダイヤルのボタンが大きく、相手先の人の写真を入れることが出来るシンプルな電話(右後方)。1週間の服薬管理が出来る電動ディスク(左)。
デザインの国、スウェ?デンでは機能もデザインも両方大切。高齢者が使うものであっても、高齢者のためのものづくりやデザインではなく、高齢者も一緒になりプロジェクトの一員として物を作るというのが新しい考え方です。人のカテゴリー化を嫌うお国柄。世代(年齢のカテゴリー)を超えた交流で斬新なアイディアも飛び出すに違いありません。
”若い世代の学生が高齢者と共にものを作るというプロジェクトにどんどん参加しているんです。”と、ルンド大学のデザイン科学学部教授が笑顔で語ってくださいました。
(つづく)
sasaki
▼スウェーデン大使館主催セミナー その1
2009/03/27
こんにちは、シルヴィアです。
今週、スウェーデンのイベント -医療・高齢者介護・いのちの未来へ向けての協力連携に向けて- が開かれました。マリア・ラーション高齢者福祉・国民健康担当大臣を筆頭に、スウェーデンの研究者・専門家、政府関係者、企業担当者が多数来日。日本の関係各所を視察訪問したり、意見交換を行ったようです。
23日にパオッコ理事長の太田さんと私の2名でオープニングセミナーとその後の駐日スウェーデン大使主催レセプションに出席しました。福祉超先進国のスウェーデン。国をあげて高齢者介護、医療に対する熱意が伝わってくる有意義なセミナーでした。
パオッコ的視点の素朴な疑問、 スウェーデンにも遠距離介護はあるか?—– どうやらあるようです。親子別居が常識の国なので、遠距離介護のように特別名前があるわけではなさそうですが、離れて暮らす親を案じる気持ちは同じのようです。
会場の大使館オーディトリアムは木をふんだんに使った内装で、しばし北欧旅行に行ったような気分になるステキな空間でした。さすがは北欧家具、デザインの国!
セミナーでは8つのプレゼンテーションがありました。
- 外国との提携研究が進むスウェーデン高齢化研究の現状と展望
- スウェーデンの認知症研究の国家的取り組み(ブレインパワープロジェクト)
- 病院や介護関連施設での感染症予防の取り組み
- 高齢者・障害者の自立を助ける補助器具技術
- 介護用品や工業品のデザインで高齢者と共に取り組む必要性
- 認知症患者の家族やケアワーカー・看護師に向けた教育プログラムの概要
- 投薬のオンライン管理プログラム
- 東京大学、秋山教授による日本の老年学研究の展望
ひとつひとつの中身が濃くて今日のブログだけでは書ききれません。自分の頭を整理しながら、内容については後日のブログでお伝えするつもりです。
(つづく)
sasaki
▼パオッコサロン「テーマ:親の心を考える」の様子。
2009/02/15
中川です。
今回のサロンには男性5人、女性8人の計13人が出席しました。初めて参加された方も2名おられました。
テーマは「親の心を考える」ということで、具体的な話題になったのは、親のサービス拒否を巡る問題でした。
アルツハイマーのお母さんの介護をしていたお父さんが脳梗塞で倒れらた娘さんは、お母さんが施設入所に強く抵抗し、お父さんもお母さんの施設入所を強く反対して退院後も夫婦で2人で暮らしていくことを主張して悩まれておりました。
同様に認知症のお母さんとお父さんが2人暮らしであった別の娘さんは、お母さんが通院拒否することで、医者からの証明が出ないために、次回の介護認定が受けられず、介護サービスの利用ができなくなる恐れがあることに困っていました。
お招きした社会福祉士/介護支援専門員さんからは、親がサービス利用を拒否する理由を考えながら対応をすること、親に(実質的ではなくても良いので)役割を与えてプライドを傷つけないようにしつつ、安全を確保するための努力をされることの必要性を提案していただきました。また親の介護ために早めの準備をすることは重要ですが、逆に先回りしての親にアドバイスをすることが、時に親の不安をあおってしまい、頑ななサービス利用拒否を招いてしまうこともある、とのご指摘をいただきました。
ご参加頂きました出席者の皆さん、お忙しい中、コメントをくださいました社会福祉士/介護支援専門員さん、本当にありがとうございました。
nakagawa
▼2009年2月14日(土)のパオッコサロン
2009/02/10
ご無沙汰しております。中川です。
サイトのトップページでも告知しておりますが、次回のパオッコサロンは、2009年2月14日(土)13時?15時、場所は文京ボランティア・市民活動センター(4階 活動室A) です。テーマは「親の心を考えよう」です。
今回はパオッコの会員さんの中から、都内のデイケアセンターでセンター長をされておられる、社会福祉士で介護支援専門員(ケアマネ)の男性をお迎えして、皆さんとともに「親の心」に関する日頃の悩みについて、ざっくばらんにお話できたらと考えております。
それではよろしくお願いします!
nakagawa
▼2009!
2009/01/02
あけましておめでとうございます!
シルヴィアです。
2009年のお正月。東京は良い天気が続いています。みなさまの地方はいかがですか?今、私の家から真っ白な富士山が見えているのですが、快晴の青空をバックに朝日を浴びて輝いています。あまりに神々しかったのでつい拝んじゃいました。
2009年のパオッコはというと、紙会報の廃止など大変化がやってきます。秋には遠距離介護セミナーの企画も。HPやブログで情報の共有、発信に努め、少しでもお役に立てたらと思っています。
みなさまのご健康とご多幸をお祈りしています。
今年もどうぞよろしくお願いします。
sasaki
タグ: パオッコの活動
▼会報15号を発送しました
2008/12/19
昨日12月18日(木)、会員のみなさんへパオッコ会報15号を発送しました。
中川さんご案内のように、パオッコサロンのチラシも同封しました(ただし、ウェブ版のようなカラーではなく単色黒での印刷ですケド)。同封物にはだいじなお知らせもあります。お手もとに届いた封筒の、なかみをよくご確認いただけるとうれしいです。
以前、会費納入のお願いを同封した会員さんから、「もうおさめているはずなんですけれど」と事務局にご連絡をいただいたことがあります。調べてみたところ、そのかたと、同日ご入金のもうおひとりのぶん、チェックもれがありました。
行き届かないこともあるかと思いますので、お気づきがあればお手数でもご一報ください。
さて、会報発送作業はたいてい、スタッフとボランティアのかたが集まってワイワイ、手は休めないまま口も動く、パオッコサロンならずともちょっとした井戸端会議の場となります。
18日のメンバーのなかには、関西のお母さんのもとにしばらく滞在してつい前日帰宅したところという人、高齢の親への気づかいから自分もインフルエンザの予防接種を受けたという人……。作業の常連(?)どうし、各自の遠距離介護経過報告その他よもやま話にも花が咲いたのでした。ランチして散会。
ご報告はカナコでした。
nishimura
▼スタッフで忘年会をしました。
2008/12/14
中川です。
昨日は、サロン、理事会のあと、スタッフで忘年会を行いました。
写真は終盤に撮ったので、料理がありませんが…。
お店は本郷三丁目駅から2分の「くっちゃい菜」。
かなり美味しくて、それでいて良心的なお値段。お勧めです。
今年もあとわずかですね。元気で過ごしましょう!
admin
▼2008年12月13日(土)のパオッコサロンは文京区民センター4Fです(場所訂正)!
2008/12/03
こんにちは。中川です。今日の埼玉は快晴です。
次回、2008年12月13日(土)13時?15時のパオッコサロンは文京ボランティア・市民活動センター 活動室A(文京区民センター4階)です。(昨日、違う場所をこの記事に書いてしまいましたので修正しました。すみません。)上記のリンクはマピオンで表示された文京区民センターの場所です。テーマは「施設の探し方」です。
最近はすっかりインタビュー調査からも遠ざかってしまい、現状を知らないので、次回のサロンのためにも安易ですが、最近の雑誌から介護関連の記事を探してみました。
今週、2008年12月08日号の『AERA』では「老人ホーム満室倒産」といった記事がありました。ここで「老人ホーム」とは、有料老人ホームのことです。「満室倒産」とは、入居者が最初に支払う一時金の収入を、満室になった場合には有料老人ホーム側が得ることができなくなり、結果として有料老人ホームの資金繰りが(後々)悪化する可能性がある、ということを意味しているようです。現状ではなく、これからの可能性についての話なのですね。ただ、せっかく『AERA』を買ったのに3ページと短い記事でちょっと肩すかしでした。この記事が今週の『AERA』に載っていたのは、『AERA 臨時増刊 選ぶ介護 2009』を売るためでしょう。で、こちらも買って読んでみました。
「太田差惠子の週刊読み物」でも紹介されているように、『AERA 臨時増刊 選ぶ介護 2009』では「ひとりっ子の孤独な老親介護」という記事を太田さんが書いています。太田さんの記事は、東京→北海道の遠距離介護を続ける実の娘、大阪から東京に父親を呼び寄せた実の息子、東京から四国にUターンした実の娘の3ケースの「ひとりっ子介護」を手際よくまとめたものです。対象者の方の中には親の介護に充実感を持っていた人もおりましたが、一方でケースの中では離婚や離職を伴うものもあり、老親介護との距離をどのようにとるかという問題が「ひとりっ子介護」では1つのテーマであることが、記事からは浮かび上がっています。
今週号の2008年12月6日の『週刊東洋経済』でもやはり介護の特集がありました。これだけ介護の記事が揃っているのは、介護の記事があると雑誌が売れるからなんでしょうね。『週刊東洋経済』の記事はざっくりしか読んでいませんが、ケアマネさんも含めて介護労働者の賃金の低さが問題であり、それは厚生労働省の政策に問題があるということが記事の主張のようでした。でも介護だけで約30ページも記事があったので、お買い得でした。
そうそう、『週刊東洋経済』のこの号を買って一番良かったな、と思ったのは、39ページで紹介されている、民医連の『介護1000事例調査』というものの存在を知ることができたことです。民医連の調査なので、介護保険の制度的欠陥をかなり厳しく批判するトーンの調査ですが、これだけの事例数があると、やはり説得力がありますね。
と、「施設の探し方」については、今ひとつ新しい知識が得られませんでしたが、それは次回のサロンで勉強させていただきます。皆さん、どうぞよろしくお願い申し上げます。
nakagawa
▼パオッコセミナーについて「コープしが」が取り上げました。
2008/11/28
中川です。
10月19日に大阪で行われたパオッコのセミナーの様子について、
生活協同組合「コープしが」の福祉情報誌ネットワーク通信の中で取り上げられました。
下記リンクから閲覧できますので、お時間がある方はご一読ください。
nakagawa
▼2008年11月8日(土)のパオッコサロン
2008/11/05
皆さん、こんにちは。
パオッコスタッフの中川です。早稲田大学の大学院生で遠距離介護について勉強中です。
サイトでも告知しておりますが、今週末の、2008年11月8日(土)13時から、会員さん向けのパオッコサロンが行われます。いつもの通り、場所は文京ボランティア・市民活動センター 活動室A(文京区民センター4階)でテーマは「親の食事をどうしよう?」です。
私は食事のことは何も知らないので、お勉強に、昔録画した2本のNHKの番組を引っ張り出して見てみました。
1つは、2003年6月14日に放送されたNHKスペシャル「65歳からの食卓?食事調査で見る長寿の秘けつ?」です。私が驚いたのは、紹介されている老夫婦が、奥さんが作った夕食を、旦那さんが別の部屋に運んで野球の試合を見ながら1人で食べているという様子でした。家族がいても孤食ってあるんだな、と考えさせられました。評判が良かったからでしょうか、後にこの番組は番組に協力してた大学の先生が執筆者になって、足立己幸ほか 2004『NHKスペシャル 65歳からの食卓』NHK出版という本として出版もされています。なおこの番組のビデオは、NHK厚生文化事業団の福祉ビデオライブラリーから送料のみで借りることができます。
もう1本はこちら、NHKスペシャル「好きなものだけ食べたい:小さな食卓の大きな変化」。2006年6月4日に放送された番組です。びっくりするような食卓の風景がいろいろでてきて、なかなか興味深いのですが、なかでも、一品だけ栄養価の高いものを食べる「切り札型」という食事の紹介は、耳が痛かったです。残念ながら、この番組の貸し出しはありませんが、こちらもやはり関連書籍が存在していて、それが岩村暢子(いわむら・のぶこ) 2003年 『変わる家族 変わる食卓』勁草書房です。こちらもなかなか面白いですよ。
nakagawa